思い出があるから生きていけること 飴茶いろの夜明けに抱かれる
毎日新聞・毎日歌壇 2020/01/20
加藤治郎氏選
詩の香りが強めですが、私自身思い入れのある歌で、掲載して頂きうれしかったです。
上の句は長年、ずっと私の内にあるフレーズでした。それが偶然、実は5.7.5調なことに気づき、ならば歌にしてみようかと。特に気持ちの入った詩歌が活字になることのうれしさは、ある種の成仏にも似ているような、言葉で言い表せないものがあります。
詩で言葉を膨らませていくには、重くなり過ぎてしまいそうな時は短歌に。短歌にするには、語句を入れ過ぎてしまいそうな時は詩に。たまに、どちらでいくか迷ったとき、そうすることでうまく気持ちを乗せれることがあります。きっと今回のは定型詩にしてよかったパターン。限りなく自己満足ですが、それもまた詩歌づくりの醍醐味です。