春の自選短歌5首

菜種梅雨 上からシトリ、斜めからシトリ、シトリと我をとどめよ

 

春の日に普段使いの言葉だけ持っていこうと荷造りをする

 

四季は春だけじゃないです夏と秋、冬もいいです byヴィヴァルディ

 

あなたにもあなたの声が届けよと鼓膜に注ぐ白梅の渦

 

寄りかかるバスの車窓に居眠ればあなたを春のように抱く夢

 

 

上の2首は短歌集『波音はライム色』、下の3首は短歌集『オーシャン』の収録歌です。

 

2022年もやや似た感じではありましたが、実は昨年の2023年は思いきり創作から離れた暮らしをしていました。

去年は引越しなど変化が色々あったのは事実だけれど、それらとは直接関係がなかったと思います。存在は決して忘れていなかったけれど、この一年間は詩、短歌、自由律俳句の3形態から全く離れてたところで暮らしていました。とは言え、メモを見ると短歌だけは4首残していたけど、去年の創作履歴は本当にそれだけでした。

私は詩の投稿時代も、丸々1年くらい休んだことがあって。その時も、また書きたくなった時に書けばいいし、その気持ちが戻らなくても、それはそれで仕方ないんじゃないかと。そのような気持ちで、ならばと、その休み期間は充電期間というより創作の冬眠期間と思って、他にやりたいことを楽しんでいました。

なので今回も、いつかまた書きたい気持ちが戻った時に書けばいいよ。そう思って、これまでの間、創作とは関連のない他の好きなことをやっていました。

 

そうしていたら、どうしてか今月に入ったあたりから、またぽつりぽつりと自然と短歌が浮かびはじめて。昨日は自宅の裏山の方から鳥の声が聞こえて、そろそろ芽吹く季節がやって来るのだけれど、もれなく自分にも、この時季に再び短歌の感覚が戻ってきたのが嬉しかったです。

 

今週も短歌が浮かびました。私の短歌は浮かんだという感覚が一番しっくりくるのですが、その浮かぶ時間がとても楽しいです。

私は絞り出して短歌を詠むことが出来ないし、なんとか頑張って絞り出して詠んだところで、気持ちがのっていない短歌は結局出来あがったものを見ても自分が楽しくないんですね。

 

書いていて楽しい、私が短歌を詠む時はそれが一番大事。じゅうぶん冬眠ができたからか、2024年3月のいまは、色に例えるなら結構ビビッドな春色の、短歌を詠むエネルギーが満ちているのを感じます。やはり私は、それをやってて楽しいと思う気持ちが一番の揮発油になる人間なのだなあと思います。

 

久々にそういう気持ちが戻ってきたせいか、私自身の創作意欲も軽やかに活動的になっていて、今年の春はこのブログも、このように時々アップ出来たらいいな。

春はすぐそこ。私もふわっと春の訪れに溶け込んで、短歌をはじめ、いま自分の心が喜ぶこと、好きなことを純粋に楽しみたいと思う今日この頃です。皆さまにとっても、もうすぐ訪れる春がエネルギーに満ちた素敵な季節になりますように!

 

f:id:junjunhibi:20240314190130j:image