詩 「アマゾン」

「アマゾン」

 

その湿った地上の懐にすっぽり抱かれながら

太陽の位置を眺め、風向きを知るため手の中の草をばらまき

きっと私も貴方も、そんな風に指間に澄み渡る碧を祈るようにして生きていた

 

アマゾンの奥地で直立した時に捨てた能力を

何度も朝露が滑る木の幹を抱いて思い出そうとしていた

鳥の嘴を撫でながら泣いていたワニ

上流でヒヅメを浸しては今よりもっと愛し合っていたはずの私たち、生き物たち

 

いま私は、スタバのカウンターで熱々のコーヒーを受け取り

高らかなBGMと客たちの熱量を掻き分けながら、一マス空いた席に鞄を置きアダプターを差し込む

「お気に入り」をクリックして開く密かな旅

其処は限りなく近い熱帯雨林

世界最大の広さを誇るAmazon.com

ネットストアの樹海に潜り「Hello」の文字を奥へ、奥へ

コーヒーを一、二口すすっているとやがて視界が明るむ、間違いなく此処もアマゾン

世界中の老若男女が行き交う巨大な四角い樹林で

それぞれのドアの向こうで、通貨で

ケルンの学生が暖炉の前で目を擦りながら

パースの老夫婦は夏の陽に照らされながら

週末、私の国では今年初の寒波が吹き荒れそうで

息を吹きかけても冴えない心のオレンジが

わっと濃くなるような音楽を、新書を探す

(貴方の言語や、好きな歌は何ですか?)

生い茂る文字を、画像を掻き分け

この密林を歩く私たちは何処に生息していても変わらない、また同じ植生の生き物なのだ

 

(2014.3「詩と思想」読者投稿欄)

(2019.2 詩集「秘境」収録)

 

詩と思想の投稿欄には、途中半年以上休んでいた時期もありましたが、その頃も含め卒業までトータル5年ほど投稿していました。いま振り返ると、詩と思想の投稿時代は大人になってもう一度味わうことの出来た、密かな(?)青春のような期間でした。

 

この「アマゾン」は投稿欄に掲載して頂いた作品の中でも素の自分らしさが出ているような気がして、また個人的に、この詩を書いた前後の頃をすっと思い出したり出来る、そんな作品です(ちょうどこの詩が掲載されて間もなく、引越したのもあり一層濃く覚えているのかも...もれなく徹夜で荷造りしたこととか、ついに朝の8時前トラックのバックオーライの合図が聞こえ、ひゃぁーと台所の小窓から下を覗いた思い出とか...笑)。今年はこれまでに書いた作品の中から随時、その季節に合った詩などもブログにアップしていけたらと思っています。

 

 

毎日歌壇 2017/12/12

また新書ミニマリストの本を買う資本主義下の申し子たちよ

 

毎日新聞・毎日歌壇 2017/12/12

加藤治郎氏選

 

今回初めて二週続きで掲載して頂きました。ありがとうございます。

 

短歌を始めた頃に比べ、ふと何かしらを三十一音に嵌めていくことが少し身近な作業になりつつな今日この頃。短歌は日常の一部、とはっきり言えるくらいになったら人生素敵である。日常の一部に短歌がある、というのは実はかなり心豊かで、身体は寒さで震えてても、誰も見えない丹田のその奥までは冷え切らない、そんな状態に似ているのでは…?と思ってみたりする。理想郷とかではなく、今日居る地に足付け見るからこそ豊穣していく個の心、果ては人生と言うか、そんな力が短歌にはあるように思う。あくまで短歌を始めてまだ月日の浅い、私個人のいまの備忘録的見解としてφ(..)メモメモ

元宇品の風景

もう先月の話になりますが、出先の途中、夕方から少し暑さが和らぎ、久々に元宇品をウォーキングしてみようかと車で立寄って来ました。

 

元宇品の山道を少し上ると無料の駐車場があり便利です。元宇品(広島市)の自然海岸エリアは、特に観光スポットではないので季節を問わずすれ違う人は疎らですが…実はここ一帯が瀬戸内海国立公園に指定されているそうです。山中、海辺、どちらを歩いてても本当に心身共にリフレッシュ出来る良い所です(^o^)特に原生林が広がる山中は、同じ市内と思えないくらい空気が澄んでて気持ち良い…!

 

旅行等で広島市内に来られる方も、海岸先にあるグランドプリンスホテル泊でない限り元宇品まで足をのばされる機会はなかなかないかと思い…この日何枚か写真を撮りながらウォーキングしてみました。少ない画像で申し訳ないのですが…(汗)元宇品、ちょっと歩いてみましょうか♪

 


f:id:junjunhibi:20170902192835j:image

スタート地点、山中の駐車場から撮った空です。木々の向こう(真下)が実はすぐ瀬戸内海です。最近、ブログアイコンの写真をこちらに変えてみました…!

 


f:id:junjunhibi:20170902193041j:image

以前のブログアイコン写真がこちら。実はこの写真も今年の4月、ここの駐車場からほぼ同じ方位を撮ったものでした…笑。

 


f:id:junjunhibi:20170903015313j:image

 

駐車場に宇品灯台について書かれた小さな石碑があります(画像の向きが…スミマセン)

 


f:id:junjunhibi:20170903015928j:image

 

こちらがその宇品灯台、駐車場のすぐ横に立っています(佇まいが美しや)。写真では分かりずらいですが、大きなクスノキの隙間からちらっと姿が見えるのが灯台です…!

 


f:id:junjunhibi:20170903020419j:image

 

私の場合いつも駐車場から山道を左に出てウォーキングスタートです。写真は山中の原生林の一角。すたすた森林浴気分を味わいながら山道を下っていくと、時折枝葉の向こうに瀬戸内海が垣間見れます。

 


f:id:junjunhibi:20170903020748j:image

山中から眺める海、島々。

 


f:id:junjunhibi:20170903020925j:image

山を下りきったところで今度は心地良い海風に吹かれつつ砂浜に出て行きます(この辺りからやや雲が多くなってしまい…)。ちょうど右手に広島港から出港したフェリーが見えます。

 


f:id:junjunhibi:20170903020954j:image

ちょうど写真の真ん中に見えてきました。どこ行きのフェリーでしょうか…?



f:id:junjunhibi:20170903021551j:image

このような砂浜をひたすら(!)海に沿って歩いて行きます。さっきまで、まさに左手に見える山をずっと歩いてきました。この砂浜を進みきったところに元宇品のシンボル的な建物、グランドプリンスホテルがありそこで砂浜コースは終了です。ホテルを折り返しに今度はバスの駐車場がある山道を上って行くと、スタート地点の駐車場に戻って来れます。

 

砂浜はたまにランニングをしている人か、地元の釣り人とぽつぽつ会うくらいで、大体が上の写真のように無人島さながらな風景(一帯が古代から残る海岸のようで、尚更そう思えるのかも知れません…)に出会うことが多いです。私の場合、特に砂浜コースは海風を受けながら延々どこまででも歩いていけそうな錯覚に陥ることもしばしばですが(笑)砂浜から途中ショートカットで山中の階段を灯台に向かって上り、時短で駐車場に戻って来ることも可能なのでご安心を(^o^)

 

実は広島市内中心からそこまで離れたエリアではないので、ぜひお時間ありましたら宮島、尾道で味わう瀬戸内海の景色とはまた違った自然の魅力溢れる元宇品、オススメです…!!